2020 年 76 巻 2 号 p. I_1-I_8
令和元年東日本台風では長野県内においても各地で浸水被害が発生し,長野市と千曲市では4保育園が0.6~2.9mの床上浸水被害を受け,長期にわたって別施設での保育継続を余儀なくされた.長野市及び千曲市の保育担当職員と保育園職員を対象に被災状況や保育継続の方法などについて聞き取り調査を行った.さらに,被災した保育所とその周辺での浸水痕跡調査と千曲川流域を対象とした河川氾濫計算も実施し,各保育所の被害発生状況について分析した.事前休園の判断基準の必要性と,保育再開に必要となる6種の資源のうち,今回の4園では「施設・設備」と「協力者・関係業者」が重要であった事を明らかにした.