土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
特集号(和文論文)
令和元年台風19号により生じた千曲川流域の橋梁被害とその要因分析
近広 雄希小池 悠豊田 政史奥山 雄介大原 涼平清水 茂
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 2 号 p. I_131-I_139

詳細
抄録

 2019年10月6日に発生した台風19号により,信濃川水系千曲川でも14箇所の越水・溢水,1箇所の堤防決壊が発生した.千曲川に架かる別所線千曲川橋梁,田中橋,海野宿橋などの橋梁の被災調査事例は報告されてきたものの,その支川も含めた千曲川流域に着目した被災調査は実施されてこなかった.よって本研究では,千曲川流域における橋梁被害の特性を明らかとするために,本川だけでなくその支川も含めた現地調査と資料調査を行い,被害状況を地図上に整理した.さらに,橋梁の被害要因を構造的(架橋年,橋長,幅員,構造形式)・地理学的(河床勾配,川幅,屈曲度)な視点から分析し,考察した.その結果,千曲川では6橋の,支川では14橋の橋梁被害が今回の調査で明らかとなった.多くの橋梁被害は護岸損傷に影響されたものであったが,支川では6例の流橋被害が明らかとなり,そのうち3橋は木橋であった.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top