2022 年 78 巻 2 号 p. I_81-I_91
急傾斜地崩壊防止工事で床掘りを伴った待受け擁壁設置での対策工事において,コンクリート打設の際に残存型枠を使用した.残存型枠は,一般型枠のように足場の設置や型枠の撤去が無いため,工事工期の短縮,作業性または工事費の縮減に対して有効であるとされている.また,施工中の安全面においても崩壊危険リスクが高い擁壁背面(斜面側)での作業工程が減少するので,このような工事では安全性の向上も期待される.本論文は崩壊防止擁壁施工時の床掘りや急勾配掘削を行った斜面近傍で行う作業で残存型枠を使用したより安全となる施工方法についてその有効性について調査・検討を行った.