土木学会論文集F1(トンネル工学)
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和文論文
土被りの大きい山岳トンネルを対象とした初期変位計測の意義と活用
佐藤 岳史中原 史晴青木 智幸岸田 潔
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2021 年 77 巻 1 号 p. 17-31

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抄録

 トンネル掘削時に実施する変位計測は,切羽近傍地山の評価や予測,支保の選定とその妥当性を検証する際に有益な情報を提供する.事前の地質調査に限界のある大土被りトンネルにおいては,内空変位計測データが持つ特性を最大限有効活用することが望ましい.計測データの活用方法の一つに,掘削時の初期変位と最終変位の相関性を把握し,切羽開放後の初期段階で最終変位を予測することがある.本論文では,計測データと実際のトンネル支保の挙動分析を行い,初期変位計測の意義を明らかにするとともに,硬質層状の堆積岩地山での掘削を対象に,最終変位量を施工管理基準値とするための新たな提案を行った.この分析的アプローチを南アルプストンネルの施工に適用することで,その妥当性を実証した.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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