抄録
延長が500m以下の船底型をした都市内道路トンネルを対象に,自動車火災が発生した場合の換気施設による排煙の有効性について検討した.検討には煙挙動CFD数値シミュレーションと避難数値シミュレーションを用いた.トンネル内に1.2m/sの自然風を有していると煙が拡がり,換気施設による排煙を行わない場合は10名を超える利用者が煙に暴露され避難が困難な状況となる.一方,換気施設による排煙を行った場合,自然風が存在する状況下においても0.3m3/s·m以上の排煙量を確保すると煙の拡がりは抑制され,煙に暴露される利用者は3名から0名程度に減少した.このことから,延長が短い場合でも利用者の避難時の安全性を確保するためには,換気施設による排煙が必要であることを確認した.