土木学会論文集F2(地下空間研究)
Online ISSN : 2185-6583
ISSN-L : 2185-6583
71 巻, 1 号
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和文論文
  • 山﨑 雅直, 津坂 仁和, 大谷 達彦, 進士 正人
    2015 年 71 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,立坑掘削に伴う坑壁地質観察により得られた割れ目の長さの総和を壁面面積で除した割れ目頻度と,割れ目情報(長さ,方向,開口幅)からステレオロジーの概念を適用して推定した透水係数とは,現地の透水試験結果と高い相関性が得られたことから,坑壁地質観察から地盤の透水係数を簡便に予測する手法を提案する.
     適用にあたっては高品質の坑壁地質観察記録が重要であり,北海道幌延町において(独)日本原子力研究開発機構が建設中の地下研究施設の立坑掘削時の記録を用い,クラックに関する情報を基に,立坑の3次元クラックテンソルと透水テンソルを推定し,近傍の深層ボーリング孔を用いた透水試験結果と比較した.
  • 三瓶 靖弘, 川端 信義, 清家 美帆
    2015 年 71 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
     延長が500m以下の船底型をした都市内道路トンネルを対象に,自動車火災が発生した場合の換気施設による排煙の有効性について検討した.検討には煙挙動CFD数値シミュレーションと避難数値シミュレーションを用いた.トンネル内に1.2m/sの自然風を有していると煙が拡がり,換気施設による排煙を行わない場合は10名を超える利用者が煙に暴露され避難が困難な状況となる.一方,換気施設による排煙を行った場合,自然風が存在する状況下においても0.3m3/s·m以上の排煙量を確保すると煙の拡がりは抑制され,煙に暴露される利用者は3名から0名程度に減少した.このことから,延長が短い場合でも利用者の避難時の安全性を確保するためには,換気施設による排煙が必要であることを確認した.
  • 水口 尚司, 大西 有三, 西山 哲, 西川 啓一, 下澤 正道, 石村 勝伸
    2015 年 71 巻 1 号 p. 20-30
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
     平成24年12月に発生した山梨県の中央自動車道・笹子トンネル天井板崩落事故は,記憶に新しく道路利用者を巻き込む大惨事となった.これまでに多くの社会インフラが整備され経済発展を遂げてきた我が国にとって大きな社会問題となった.このような背景を踏まえ,本研究ではトンネルマネジメントの課題解決に向けて,トンネル走行型計測技術の適用性,本技術を活用したマネジメント手法について考察し,今後の実現性に向けた課題や将来展望について述べるものである.こうした新技術の活用によって,いかに今後の道路トンネルのマネジメントをより効率よく正確かつ安全に実施していくことが重要と考える.
  • 山崎 哲也, 横田 昌弘, 川端 信義
    2015 年 71 巻 1 号 p. 31-46
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    ジャーナル フリー
     道路トンネルは閉鎖された空間であり,火災が発生すると煙の遡上などにより,明り部よりも被害が拡大する可能性がある.近年の安心安全が求めらる社会情勢から,トンネル内の非常用施設を増強すべきと考えるが,費用や期間の面から,全てのトンネルの非常用施設の充実を図ることは難しい.このような課題に対し,リスクアナリシス手法を用いて,各々のトンネルの潜在的火災リスクを評価し,それに見合う対策を選定し,対策が必要なトンネルに対し,計画的に対応すれば,効率的に,未然に大きな被害を回避することができると考える.本稿では高速道路トンネル火災に関する「リスクアナリシス手法」を用いた,対策トンネルの絞り込みと対策の選定方法や,計画的,効率的に日本の高速道路トンネルの火災リスクを低減するしくみを提案する.
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