抄録
グリッド計算は次第に科学計算の実施に対して影響を強めつつある。しかし偏微分方程式を用いるデスクトップからの物理シミュレーションにおいて、今日のGrid計算の能力を利用できるものは非常に少ないのが現状である。この論文では、3次元有限要素法を用いる構造計算に対して自動的にMatLabの計算コードを生成しさらにGrid計算を簡単に行うことを可能にするGridPsiと呼ぶ新しい問題解決環境について述べる。GridPsiを用いることによりユーザは有限要素法の計算コードを手作りで作成する手間から解放され、プログラム効率を飛躍的に高めることができる。さらにグリッド計算のパターンを単純化することにより物理シミュレーションに対するデスクトップからのGridの使用を容易にし、副次的にはインターネット負荷の低減にも貢献できることを示す。