日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
エッジトーンの擾乱伝播速度の解析
野々村 拓村中 洋子藤井 孝藏
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2008 年 2008 巻 p. 20080022

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抄録

エッジトーン現象を高次精度コンパクト差分法とルンゲクッタを用いて解析した.得られた流れ場の特徴は、実験で得られたものと良い一致を示した.エッジトーンの周波数はプロファイルによって大きく変化することがわかった.また圧縮性効果によって、高マッハ数のエッジトーンの周波数は線形に予想した周波数に比べて低くなることがわかった.この結果はエッジトーンがフィードバックループメカニズムで説明できることを示している.また詳細な擾乱速度の解析をおこなった.擾乱速度は非線形をもっており、出口付近で速く、エッジ付近で遅くなることがわかった.この結果からPowellが線形な擾乱速度を仮定したモデルの中の位相誤差0.25はこの非線形性の効果を含んでいたものであり、非線形性を考慮に入れた場合の真の位相誤差は-0.2であることがわかった.これらの解析結果はエッジトーン現象を制御する際などに非常に有効なデータとなることが期待される.

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© 2008 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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