日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
マルチコアクラスタのネットワーク構造を考慮した並列密度行列繰り込み群法の通信手法
山田 進今村 俊幸町田 昌彦
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2009 年 2009 巻 p. 20090015

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抄録
強相関多体問題を計算する方法の1つに密度行列繰り込み群法(DMRG法)がある。この方法は本来1次元モデル用に開発された方法であったが、並列化することで準2次元モデル(梯子型モデル)用に拡張することに成功している。この並列化においてall-to-all通信を必要とする。all-to-all通信はすべてのプロセス間で通信を行うため、ネットワークの帯域に負担がかかる。そのため、最近主流になってきたマルチコアクラスタは、ネットワークの帯域に対するプロセス数が多いため、通信性能の低下が予測される。そのため、我々は、データ分割や通信パターンを考慮することで、全プロセスで通信を行わない通信方法を提案した。実際に、シングルコア計算機であるSGI Altix 3700 Bx2およびマルチコア計算機T2K Open Supercomputer (Todai Combined Cluster)において性能評価をおこなったところ、どちらの計算機でも新しい通信方法により通信性能は向上したが、マルチコアであるT2Kのほうがより高速化することが確認できた。
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© 2009 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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