2013 年 2013 巻 p. 20130011
粒子法ではメッシュを定義する必要がなく, 解析領域の内部に粒子を充填するだけで解析できるといったプリプロセス上のメリットも期待できる. 一方で, 粒子法では境界面上に計算上制御できる点が必ずしも存在しないため, 境界条件の付与方法は単純ではない. 特に実際の粒子モデルの作成においては, 解析領域内を構造格子状に分割し, その格子の中心点あるいは交点に粒子を配置することが多い. この簡易的なプリプロセスによれば, 領域内に均等に粒子が配置できるものの, 境界面は階段状のガタガタな形状となり実際のなめらかな物理境界とは適合し"非適合境界"となるため, 境界付近の流れが不自然となる.
そこで本論文では, 仮想マーカー境界処理のアイデアを利用し, 階段形状の非適合境界を有する解析モデルにおいて, すべり・非すべり境界条件を与えるための新たな境界処理方法を提案する.