日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
壁面境界の大変形を考慮した粒子法の計算手法に関する基礎的研究
渡辺 高志桝谷 浩三橋 祐太
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2013 年 2013 巻 p. 20130021

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抄録
粒子法では一般に拘束した粒子を用いて壁境界を表現するが, 滑らかな曲面や複雑形状の再現には高い計算解像度を要する. また, 境界に複数層の粒子を配置する必要がある点はモデル化を行う上での制約事項であり, 計算時間の観点からもより利便性の高い境界面の導入が望ましい. 更に粒子を用いた壁境界モデルは大きな変形を考慮することが困難である点も問題である. 一方で, 粒子を用いずにCADデータなどの幾何形状をそのまま三角形パッチの壁境界のモデル化する手法もあり, この手法はMPS法の商用コードに採用されている. しかしながら, 既往の三角形パッチによる壁境界モデルは, 計算効率を優先して前処理工程で計算した距離関数を使い続けるアルゴリズムを採用しており, 境界面が変形する問題には適用することができない. 本研究では, 距離関数を用いずに変形を考慮することが可能である, 新しい三角形パッチによる壁境界の計算手法を提案する. 提案手法をSPH法の流体解析に導入し, 基本的な解析精度の確認を行った. そして, 本手法を境界面が大変形する条件下の流体解析に適用し, その有効性の検討を行った.
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© 2013 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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