抄録
鉄鋼連続鋳造プロセスにおいて、凝固の均一性を確保することは品質上の大きな課題である。溶鋼は冷却された銅板で間接冷却され、その後、周囲が凝固した鋳片を複数のロールで支持し、ロール間に幅方向に複数配置されたスプレーで直接冷却している。鋳片の幅方向の冷却の不均一現象を解明するためには、スプレー冷却の冷却挙動を可視化することが重要である。数値解析が有効であるがメッシュを用いた有限体積法等の適用は、複雑な自由表面の解析が必要でありふさわしくない。そこで、メッシュレス手法であるMPS法の適用を考えた。特徴的なロール配置、スプレー配置をモデル化し、スプレー水の流動挙動を解析した。その結果、軸受部を下流側に垂れる水やロール上に溜まる水の挙動が計算で求められた。計算の精度については水モデルで確認した。