2019 年 2019 巻 p. 20190006
本研究では,グランドストラクチャ法を利用し,実際の粉末金属積層装置で造形できるラティス構造の最適化設計について検討した.本研究の特徴は,実際に造形装置を使用した際,造形可能な範囲で梁の断面積を変化させるアルゴリズムを構築したこと,また,造形しやすいユニットセル(本論文ではBCCとf2BCC)を用いて最適化を行った点が挙げられる.また,設計変数の目的関数に関する感度計算において,計算効率を上げるため,有限差分法で用いられるコンプライアンスの感度の代わりに,設計変数の剛性マトリックスへの寄与のみに注目して計算を行った.得られた最適形状は,初期形状の違いに関わらず,ほぼ同様の高剛性を示している.検討に用いた3種類のユニットセルで比較すると,様々な体積制約の下で最適化計算を行った結果,f2BCCのユニットを持つラティス構造が,一番すぐれた剛性を示すことが分かった.さらに,得られた最適化形状を用いてSLM装置で積層造形した結果,設計通りの直径の分布を持たせたラティスサンドイッチ構造を造形できた.