日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
XFEM を適用する流体・構造連成計算手法における流体の慣性項の計算
澤田 有弘近藤 雅裕松本 純一
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2020 年 2020 巻 p. 20200004

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抄録

本研究では,流体と固体の境界にXFEM(拡張有限要素法)を適用する境界捕捉型のFSI(流体・構造連成)計算手法を動的なFSI問題へ適用する際に出現する拡充関数の時間変動を考慮した流体の慣性項の計算手法を示した.そして,当該手法のFSI計算に対する適用性や安定性に関する評価を,柔軟体の流体励起振動の計算において実施し,その有効性を示した.評価は,当該手法と等しい連成境界を与えるALE法による境界追跡型のFSI計算手法が与える計算結果と比較することにより行った. 本研究は広義には,i)XFEMの動的問題への適用と,ii)Lagrange記述される構造計算ではなく,Euler記述される流体計算に対する適用と,iii)Eulerメッシュ中を不連続面が移動する問題への適用の三つを同時に考察したものであり,完全な解を示すには至っていないが,本研究の成果はXFEMやそれに準ずる計算手法の応用や新たな適用に関し,有益な知見を与えるものと考えられる.

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© 2020 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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