2020 年 2020 巻 1 号 p. 20201002
本研究は,重心ボロノイ分割(CVT)探索向けの数値解法としての最適化アルゴリズムに関するものである.CVTは曲面を有する境界形状を高精度に表現しつつ等間隔に粒子を配置できるため,粒子法を用いた流れシミュレーション向けの粒子初期配置としてその有用性が着目されている.しかし,CVT探索はNP困難に分類される問題であり,効率的な数値解法に対して高い需要がある.本研究では,CVT探索をエネルギー最小化問題として考え,機械学習分野でOptimizerと呼ばれる最適化アルゴリズムを適用することで効率化を目指す.Optimizerとしては機械学習分野で良く用いられるMomentum法やAdam法をベースとし,ハイパーパラメータの検討を行うことで,CVT探索向けOptimizerを提案する.また,いくつかの数値実験によって提案手法の有用性を示す.