2024 年 2024 巻 p. 20240011
仮想要素法(VEM: Virtual Element Method)は要素内において試験関数および試行関数の内挿関数を陽に定義する必要のない偏微分方程式の近似解法である.この特徴から,凸でない形状も含めた多角形や多面体の要素を特別な処理なく扱うことができるため,有限要素法を一般化した手法として注目を集めている.しかし現在のところ,VEMの研究の多くは理論に関するものであり,実構造への適用は十分に検討されているとは言えない状況である.そこで本研究では,VEMの最大の特徴である多角形を扱える利点を要素辺上の節点,すなわちhanging nodeを有するモデルに適用することを検討する.そのため,要素寸法の異なる領域をhanging nodeを利用して接続したモデルの解析を行い,寸法比が5程度であれば実用上十分な精度が得られることを確認した.