子ども家庭福祉学
Online ISSN : 2758-2280
Print ISSN : 1347-183X
論文
利用者支援事業基本型におけるニーズアセスメントシートの効果的な活用を推進するシステム構築に関する研究―シートの活用実態と課題に関する質的調査を通して―
榎本 祐子新川 泰弘
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2022 年 22 巻 p. 1-16

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抄録

本研究は,利用者支援事業のためのニーズアセスメントシートの効果的な活用の推進について探索的に検討するものである.それに際しては,シートを採用している基礎自治体の利用者支援専門員を対象にグループインタビュー調査を行い,質的データ分析法によって分析を行った.その結果,シートの活用を難しくしている要因として,①ニーズアセスメントシートに関する要因,②現場のニーズアセスメントに関する5つの「わからない」に応える「実践モデルの記述に含まれる5つの基本的要素」に対応する要因,③ニーズアセスメントのための環境に関する要因が抽出された.とりわけ②現場の5つの「わからない」は,実践モデルの記述に含まれる5つの基本的要素である①実践対象の記述,②実践意義の記述,③援助手続きの記述,④依拠理論の記述,⑤援助効果の記述の情報の欠如と対応しており,その改善のためには,実践モデルと実践マニュアルが欠かせないことが示唆された.

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© 2022 日本子ども家庭福祉学会
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