2022 年 22 巻 p. 17-29
学校現場において,スクールソーシャルワーカーが有効に機能するためにはスーパービジョン・研修体制が求められる.しかしながら,現状ではその体制は十分とはいえない.そのようななか,全国の先進自治体ではスーパーバイザーに代わる,または補完する役割としてリード(チーフ・主任)スクールソーシャルワーカーが配置されている.
本論では全国で配置されている自治体(6自治体7か所)に対してアンケート調査(追加ヒアリング)を実施することにより,その現状と課題を抽出した.その結果,リードスクールソーシャルワーカーの役割としては,個別・グループにおけるスクールソーシャルワーカーへの助言・指導,教育と福祉のつなぎ役,変革者としての役割,研修等の企画,スーパーバイザーとの連携などが明らかになった.そして,その配置に向けては,待遇面の充実や常勤・正規職員化の促進,さらに教育委員会の責任で研修を計画・実施することなどが示唆された.