抄録
思春期にある喘息児(以下思春期児と略す)が医療従事者との協働において自分自身や医師,看護師の役割をどのように認識しているのか,協働において何が大切だと認識しているのかを明らかにすることを目的に,小児科外来に通院する13〜18歳の喘息児11名に半構成的面接を行った。思春期児は自分自身の役割を,「医師への報告』,「指示された治療を守ること』,『生活の調整』であると認識していた。医師の役割を,『自分にあった治療方法を見つける』,「自分にあった治療方法をアドバイスする』と,看護師の役割を,「見守り』,『第二の支援者』,『苦痛から守る』,『協働のメンバーと意識していない』と認識していた。協働において大切なことは,『支援の実感』,「治したいという意思』,『治療に納得がいく』,『自立心』,『成果の実感』,『信頼関係』,『責任感』,『対話』であると認識していた。思春期児は治療計画管理における主体的な参加を望んでおり,思春期児の視点に立った目標設定と,それぞれの役割遂行をエンパワメントしていくことの重要性が示唆された。