日本小児看護学会誌
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小児慢性疾患の同胞をもつ青年期のきょうだいが得る糧
藤原 紀世子川島 美保
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2011 年 20 巻 1 号 p. 1-8

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抄録
本研究は、現在青年期にある小児慢性疾患患児のきょうだいが得た糧は何か、生きていく上で糧をどのように活用しているのかを明らかにすることを目的としている。研究デザインは質的帰納的アプローチによる因子探索型研究方法である。対象者は幼少期から小児慢性疾患患児と暮らしている青年期のきょうだいで計14名であった。見出されたカテゴリーは、【同胞の存在自身が糧】【同胞の疾患や障害を介して得た糧】【見守り支え心強い味方となる糧】【きょうだいとしての立場から解き放つ糧】【無意識に封じ込めた苦悩に気づくターニングポイントとなる糧】【成長の過程で培われ熟成した力となる糧】【自己を発揮し活躍できる夢を追求する糧】【社会にきょうだい支援の必要性を投げかけるための源となる糧】であった。看護師は、きょうだいが無意識に封じ込めた苦悩に気づき、心の深層に閉じ込めた苦悩を吐露できるように介入する必要性があるという示唆を得た。
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© 2011 一般社団法人 日本小児看護学会
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