日本小児看護学会誌
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付き添う母親の疲労に対する熟練看護師の介入の視点
廣井 寿美古屋 敦子森 早苗高木 由美子阿久澤 智恵子相澤 康子矢嶋 美恵子飯塚 もと子
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2011 年 20 巻 1 号 p. 62-69

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抄録
子どもの入院に付き添う母親への支援は、小児看護の重要な役割であるが、学生や新人看護師の多くは、母親へのかかわりに戸惑いを感じている。そこで、小児病棟で働く熟練看護師6名を対象に、母親の疲労に対する介入の視点を明らかにするための研究を行った。内容分析の結果、15のカテゴリーが抽出された。熟練看護師は、付き添う母親に起こりうる問題を幅広く認識し、些細な変化が重要な情報であることを意識しながら情報収集を行っていた。母親の疲労への介入として、直接的な身体の負担の軽減や医療チームの調整はもちろんのこと、良好な母子関係への促進や母親役割への満足度を高める支援を行っていた。また、母親との信頼関係を重視し、会話のための環境づくりや会話の工夫など、日常的な努力を重ねていた。熟練看護師は、すべてのかかわりを通して、母親とのかかわりの一貫した姿勢を持っていた。
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© 2011 一般社団法人 日本小児看護学会
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