抄録
小児の生体腎移植は、家族内に同時期に2名の手術患者が発生し、子どもは術直前、術直後に心の拠り所である親と接することが出来ないという体験をする。そこで、生体腎移植の特徴を踏まえたプレパレーションを8歳から14歳の子どもと親7組に実施した。プレパレーションは一事例ごとに、情報交換を行い、どのように進めるかを他職種間で検討、評価しながら進めた。プレパレーションによる子どもの反応は、「頑張れそう」との前向きな発言もあれば、「こわい」「泣く」といった反応もあり様々であったが、子ども気持ちの表出を促し、主体的に手術に取り組むことを支援した。また、ドナーとなった親は、自分の体調に合わせて面会をすることが出来ており、今まで気付いていなかった子どもの一面を知る機会となった。