抄録
本研究の目的は、先行研究をもとに作成した、採血を受ける子どもの対処行動を予測するために必要な要因のパスモデルを検討することである。小児科外来で採血を受ける3-6歳の子ども(男児32名、女児20名)とその保護者52組を対象とし、保護者への質問紙調査と採血場面の子どもの対処行動を参加観察法にて行った。パス解析により採血中の子どもの対処行動への関連を検討した結果、子どもの入院経験は、保護者が採血前に予測する子どもの対処行動に関連し、さらに、保護者が採血前に予測する子どもの対処行動が、実際の子どもの対処行動に関連していたことが明らかとなった。これにより、採血を受ける子どもに対して、採血前に保護者が予測する子どもの対処行動を把握することが重要であり、こどもの個別性を把握するためのアセスメントに活用できることが示唆された。