小児がん患者の病気体験におけるレジリエンスの構造を明らかにすることを目的に、小児がん患者11名を対象としてグラウンデッド・セオリー・アプローチによる継続的比較分析を行った。分析の結果、3個の主要カテゴリー [スイッチを切り替えるプロセス]、 [治療を乗り越える自信をつけるプロセス]、 [自分の人生に病気を取り込むプロセス] と、13個のカテゴリー、38個のサブカテゴリーが抽出され、小児がん患者の病気体験におけるレジリエンスは、患者が病気である自分を受け止め、病気体験を自分の人生の一部として取り込んでいくプロセスとして構造化された。このプロセスには、患者が自分自身に何が起こっているのかを知ること、入院環境・退院後の環境に子どもの居場所を作ることが必要であることが示唆された。