2023 年 70 巻 p. 75-77
神奈川県川崎市に所在する明治大学生田キャンパスにおいて,2019年6月に露地栽培キュウリに発生したワタアブラムシを対象として,クロチアニジン水溶剤2000倍液を散布したところ,還元澱粉糖化物液剤100倍液の2回散布より防除効果が劣ったことから,ネオニコチノイド系殺虫剤に対する抵抗性が発達した個体群の定着が疑われた。そこで,2023年4月に同キャンパス内に設置したキュウリ苗に飛来したワタアブラムシ有翅虫から得たクローンを対象として,抵抗性遺伝子の有無を調査したところ,抵抗性遺伝子は検出されなかった。本研究では抵抗性が発達した個体群の定着は確認されなかったが,今後は飛来源を想定した広域での調査を行う必要がある。