2014 年 23 巻 3 号 p. 100-106
子どもの死を看取った看護師の経験を45文献から明らかにした結果、急変に備えつつ苦痛緩和やQOLの維持向上など多岐にわたるケアを担う一方、時間不足や知識・経験不足、家族の気持ちを受け止められない、満足ゆく看取りが出来ない、あるいは十分な看取りができたかどうか分からず、不全感や無力感などを抱いていることが明らかとなった。看取りの過程で抱いた悩みや疑問に対しては、同期や先輩に相談、自分にできることをする、割り切る、家族と距離をとるなど多岐であった。子どもが亡くなった後の喪失感や不全感に対しては、看護師や親と気持ちを分かち合うなどして乗り越えたり、行ったケアを振り返り意味付けすることで自らの成長に繋げている看護師もいた。しかし、誰にも相談しない看護師がいることや、カンファレンスや個別サポートにおける課題が明らかとなり、今後の対策の必要性が示唆された。