抄録
点滴・採血時に揺らぎやすい幼児後期の子どもの自己調整機能は看護師の支援の影響を受けるが、その支援の内実は明らかにされていない。本研究の目的は、幼児後期の子どもが点滴・採血を受ける際に自己調整機能を発揮するための看護師の関わりについて、看護師自身の認識を明らかにすることである。看護師13名に半構成的面接を行い、質的記述的研究方法により分析した結果、看護師は、子どもへの【"間"のある処置機会の提供】【支持的な足場の提供】を基盤にした【子どもの見通しへの支え】【子どもの自発的行動への支え】【子どもの頑張りの軌跡への共感的支え】の5カテゴリーを自己調整機能発揮への関わりと捉えていた。子どもの自発性を支え自信や誇りを高めるために、看護師は子どもに見通しと期待を示しつつ、気持ちを折り込もうと揺れる子どもへの"間"のある関わりと彼らの頑張りへの共感・具現化する関わりを持つ重要性とこれらの意図的な実施の必要性が示唆された。