日本小児看護学会誌
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研究報告
気管切開管理が必要な重症心身障がいを抱える小児を養育する家族の現状および看護師による指導内容の実態と課題
水落 裕美益守 かづき
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2016 年 25 巻 2 号 p. 45-52

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抄録

 本研究は、気管切開管理が必要な重症児を養育する家族の現状と看護師による指導内容の現状と課題を明らかにすることを目的とした。全国の訪問看護ステーションで、訪問看護を受けている気管切開管理が必要な在宅療養中の重症児を養育する家族76名を対象に、無記名の自記式質問紙調査を行った。41名から回収されたデータを分析対象とした (有効回答率100%)。

 その結果、家族は身体的不調を抱えており、気分転換を望みながらも、子どもの世話は自分でなければならないという責任感を抱えていた。家族が子どもとの適切な距離を保ちつつ、在宅療養を続けられるような支援が必要である。また、家族は、病院看護師、訪問看護師それぞれに対し異なるニーズを持っており、その一方で、看護師による病院から在宅への途切れない継続した看護ケアの提供を望んでいた。病院看護師、訪問看護師それぞれが、家族が求めるニーズの違いを理解し、双方の役割の強化と連携が重要である。

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© 2016 一般社団法人 日本小児看護学会
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