目的 : 短期入院で手術を受ける幼児の家族に対して、病棟看護師が病棟と手術室間の移送の際に行うかかわりの意味を明らかにする。
方法 : Leiningerの民族看護学を参考に、参加観察とインタビューを行った。参加者は小児病棟看護師4名、子どもと家族・医師18名であった。
結果 : 5つのテーマを導き出した。1. 手術室に向かう時は家族と楽しく話す様子を子どもに見せて子どもの安心につなげる、2. 手術室に向かう時はいつもの子どもや親子関係を捉えてケアの手がかりにする、3. 麻酔導入直後に家族の思いを捉えて術中や術後について説明する手掛かりにする、4. 子どもの入室後は家族に術後の子どもについて前もって説明して、子どもを家族と同じ方向で見られるようにする、5. 術後に病棟に戻る時は子どもの状況を家族に伝えて術後に家族が子どもを安心させる道筋を作る。
考察 : 病棟看護師の移送での家族へのかかわりが家族の力を発揮させ、術前後の子どもの利益へとつながっていた。