日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
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研究
がんばりを引き出す内服援助を受けた幼児前期の子どもの反応
清重 真衣子鎌倉 恵三浦 浩美舟越 和代
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2019 年 28 巻 p. 59-68

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抄録

 本研究の目的は、内服に抵抗を示す幼児前期の子どもにがんばりを引き出す内服援助を行った際の言動を明らかにし、内服に対する理解やとらえ方を推察する基礎的データとすることである。1歳~3歳の子ども20名とその家族の内服場面を参加観察し、子どもの内服に対する理解やとらえ方を年齢ごとの発達段階を考慮して解釈し、カテゴリー化した。その結果、1歳児は二者択一での【選択】ができたり、内服に使用する物品や食材などの【理解】を示した。2歳児、3歳児は内服に対し【葛藤】を抱えながらも、【心構えができる】と内服でき、選択の機会を与えると【選択】に加え【自己決定】ができた。また、2歳児は薬の準備や数・量、3歳児は内服時間や苦手な薬剤の判別など、年齢が上がるとより複雑な理解ができた。そして、幼児前期の子どもは苦手な内服に対しても【意欲】【興味】をもって内服に向き合い、内服できると【喜び】、【自慢】する反応をみせた。

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© 2019 一般社団法人 日本小児看護学会
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