日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
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研究
手術を目的とした短期予定入院児に付き添う母親の思いと生活行動の実態
金子 沙世山口 桂子
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2019 年 28 巻 p. 69-77

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抄録

 本研究は、手術を目的とした短期の予定入院児に付き添う母親の思いと生活行動を明らかにし、今後の入院児と家族に対する支援の在り方について検討することを目的とした。方法は、インタビューガイドを用いて、手術を目的とした短期予定入院をする乳幼児に付き添う母親20名に半構成面接を実施し、質的に分析した。その結果、付き添う母親の生活として、Ⓐ母親の病児の世話役割に対するベースとなる考えのもと、Ⓑあるべき母親像に縛られた、Ⓒ母親の生活行動実態が明らかになった。母親の生活行動の実態では、【子どもを優先にしたぎりぎりの生活】による疲労の蓄積の中で、【最低限の生活からの解放への見通しの再確認と奮起】【患児優先のために自己容認してきた最低限の生活からの脱却】をして、退院を迎えていた。以上より、入院生活の見通しについての説明や、 “あるべき母親像” に対する柔軟な考えへの転換に向けた援助の必要性が示唆された。

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© 2019 一般社団法人 日本小児看護学会
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