本研究の目的は、A県の訪問看護師が小児の訪問看護の経験の有無や経験年数により、不足していると認識している小児の訪問看護の知識・技術の内容を明らかにすることである。対象者はA県内の訪問看護ステーションに勤務する看護師とした。調査は、無記名の自記式質問紙を用い、知識・技術が不足していると認識している程度を問う項目は、5段階のリッカート法で回答を求めた。有効回答は190部であった。小児の訪問看護は、経験がない看護師が131名 (68.9%)、経験年数3年未満が33名 (17.4%)、3年以上が26名 (13.7%) であった。小児の訪問看護の経験がない看護師は、経験年数3年以上群と比較して、母子のアセスメント、治療や社会資源などの情報提供や指導に関しての知識・技術が不足していると認識していた。小児の訪問看護の経験がない訪問看護師は、母子のアセスメントや社会資源の相談技術の習得の必要性が示唆された。