目的 : 医療的ケア児の親が児の社会生活を支えエンパワーメントしていく過程の解明。
対象と方法 : 医療的ケア児の母親10名。質的研究。
結果と考察 : 11カテゴリーを抽出。在宅生活への初期では【退院と在宅生活へ向けた準備と覚悟】と【制度の限界の認識と柔軟な利用への希望】があった。【専門職による親ときょうだい児への気配りと支え】を受け、【ピアとしての連携と力の発揮】で子育てし、【子どもの発達を促す教育と環境の模索】をしていた。【親の育児力と社会参加の葛藤】では人生の見直しなどの葛藤に陥るが、【極限状態からの地域社会へのつながり】を保ち、社会参加と育児力を通して親の自信となった。これらの相互作用と【最後の砦のある安心】の中で、【社会資源の活用とコーディネート】と【親の役割と家庭生活の充実】につながり、親のエンパワーメントが徐々に高まったが、【親としての願いと行動力】はこの過程のコア・カテゴリーであった。