2020 年 29 巻 p. 74-80
本研究は、小児循環器疾患患者に長く携わってきた看護師の語りから、小児循環器看護の教育方法の現状を明らかにし、小児循環器看護独自の教育支援システムを確立するための示唆を得ることを目的とした。小児循環器看護の経験が5年以上ある看護師10名に、小児循環器看護の教育に関する内容について半構成面接を実施した。看護師がとらえていた小児循環器看護の教育方法には【複雑な小児循環器疾患の知識を学習するための方法を教える】【OJTを行う】【患者と学習者の安全を考えて段階的に教育する】【循環器疾患に特化したフィジカルアセスメントを教育する】【小児看護の基本を教える】という5個のカテゴリーと、17個のサブカテゴリーがあった。教育的立場にある看護師は、経験の浅い看護師が段階的に学習できるように教育方法を工夫していた。経験の浅い看護師が、実践に生かせると思える研修の開催や教育ツールの開発を行う必要がある。