本研究はNICUから中間施設の役割をもつ総合病院小児科病棟に転院した重症心身障がい児の母親・家族に対する在宅ケアへの移行支援のプロセスについて明らかにすることを目的とした質的帰納的研究である。中間施設の役割をもつ総合病院の小児科病棟で勤務する看護師9名を対象に半構造化面接を行った。データの分析は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた。分析の結果、移行支援のプロセスは、<母子分離の埋め合わせ>、<移行支援戦略の策定>、<在宅ケアへの適応を促進する移行支援の強化>、<母親・家族の個別性に合わせたゴールの評価>の4つのカテゴリーから形成されることが明らかとなった。中間施設における在宅移行支援機能と在宅生活支援機能の強みを生かして、母子関係構築を基盤とした重症児と家族の絆づくりと母親・家族の心身の状況に合わせて支援の進捗を調整することが重要である。