2021 年 30 巻 p. 43-51
本研究の目的は、知的障害のない自閉スペクトラム症のある子どもへ特性や診断名を告知する過程を母親の体験から明らかにし、看護の示唆を得ることである。自閉スペクトラム症と診断を受けた子どもの母親10名に半構成面接を行い、質的記述的分析を行った。その結果、【特性のある子どもを受容することへの揺らぎ】、【子どもの特性への直面】、【子どもの承認と提案】、【家族や周りへの調整】、【診断名の告知と葛藤】、【自立に向かう子どもへの寄り添い】の6カテゴリが抽出され、告知過程は6段階を経ていることが明らかになった。看護師は、母親の体験を理解し共感的な姿勢でかかわり、母親が特性・診断名告知過程をたどれるよう支援する必要がある。また、子どもへの特性・診断名告知過程を体験する母親の揺らぐ思いや子どもへの特性や診断名の告知に関する意思決定を継続的に支援する看護の必要性が示唆された。