本研究の目的は、採血を受ける2歳未満の子どもに付き添う母親の行動の意味を明らかにし、子どもの採血に付き添う母親の支援モデルの提示につなげることである。採血を受けた2歳未満の子どもと母親3組を対象に、採血場面の非参加観察および母親への半構成的面接を行った。研究デザインは、看護において重要な他者の思いや意図に近づくための方法として、エピソード記述のアプローチを援用した。母親は、子どもに付き添い “母親役割” を発揮するが、子どもの身体を抑えるよう促されたことで “介助役割” を担うことになった。一方で、“母親役割” を担いつつ、自ら子どもが動かないように抱きしめる “介助役割” をも担っていた。母親の行動は、“母親役割”、“介助役割”、“母親役割” と “介助役割” の3場面があることが明らかとなり、母親が “介助役割” を担いつつも “母親役割” を発揮するために、看護師が実践する支援モデルの必要性が示唆された。