2022 年 31 巻 p. 102-108
本研究の目的は、慢性疾患の子どもの学校生活の現状と、子どもが学校生活を送るために行っている家族、学校関係者、医療従事者の支援について、文献検討を通して明らかにすることである。「慢性疾患」、「学校」、「養護教諭」、「医療」をキーワードに文献を検索し、30件を分析対象とした。慢性疾患の子どもが安全に楽しく学校生活を送るためには、周囲のサポートが必須であった。しかし、サポート側の担任と養護教諭は多くの困難をかかえているが、その支援が不足していた。また、家族と学校、学校と医療は十分に連携を取れているとは言えない現状が明らかとなった。家族、学校関係者、医療従事者が十分にコミュニケーションを取り子どもを支援することが望まれる。そのために、それぞれの立場の状況をより詳しく調査した上で子どもへの支援を検討する必要があることが示唆された。