2022 年 31 巻 p. 118-125
本研究の目的は、保育所に通う医療的ケア児にかかわる保育所看護職が医療的ケアを実施した体験から、保育所看護職の役割をどのように考えたのかを明らかにすることである。医療的ケア児にかかわる保育所看護職10名に、半構成的面接を行い質的記述的に分析した。その結果、【保育所で医療的ケア児を受け入れられるようにする】、【保育士が医療的ケア児の健康状態や医療的ケアについてわかるようにする】、【保育の流れに配慮して医療的ケアを行う】、【家庭と保育所で継続した医療的ケアができるようにする】、【医療的ケア児が医療的ケアに主体的に取り組めるようにする】の5つのカテゴリーが抽出された。以上のことから保育士をはじめ、主治医および保護者との連携や、医療的ケア児を含めた他児とのかかわりが重要であった。また、医療的ケア児の自立への支援に向けて、主体的に医療的ケアに取り組むかかわりの必要性が示唆された。