2022 年 31 巻 p. 109-117
小児クリニックでの採血場面における看護師の幼児期の子どもへのかかわりの特性を明らかにすることを目的とした。方法は質的記述的研究で、クリニック3施設の2歳~6歳の子どもの採血11場面の参加観察と、採血に携わる5名の看護師への半構造化面接を実施した。結果、各時間軸で経過を分析し4つのパターン(①ひとりでできる、②一部固定、③馬乗り固定、④延期)に分類した。看護師は子どもと誠実にかかわることを意識し、“親を巻き込み”、“真剣な時こそ笑顔” や絶妙な言葉かけで子どもも採血に向き合えていたが、馬乗り固定を選択した場面のかかわりでは効果はみられず、過去の子どもの採血における嫌な体験と重なっていた。看護師は採血前に時間的な余裕がない分、採血後に意図的に子どもとかかわる時間をつくり、子どもの緊張を解放するサポートを行っていたが、子どもと親の採血前のアセスメントと肯定的な体験へと変える取り組みの必要性が示唆された。