日本小児看護学会誌
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アトピー性皮膚炎をもつ子どものセルフケアに関する文献レビュー
厚美 彰子青木 雅子
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2023 年 32 巻 p. 108-115

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抄録

 アトピー性皮膚炎は乳幼児期の有症率が多く、増悪軽快を繰り返すため、セルフケアを学習し継続させ、疾患をもつ自分を受け入れながら発達していくことが必要である。本レビューの目的は、子どものセルフケアの現状を明らかにしセルフケアの学習や継続の課題を検討することである。文献22件の「セルフケアの認識」は、子どもと家族の負担、成長発達による変化、治療やケアの認識が医療従事者と異なること、「セルフケア支援」は、学童期以降の子どもや家族への教育プログラムとスキンケア支援が中心であること、「セルフケア継続への影響」には、子どもの成長発達、家族・医療従事者のかかわりが影響していることが明らかになった。今後の課題として、ケアを継続させるための医療従事者の役割の明確化、保育園や学校、地域連携など新たな支援者の役割の検討、教育プログラムの内容・年齢の見直しの必要性など、研究発展の必要性が示唆された。

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© 2023 一般社団法人 日本小児看護学会
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