2023 年 32 巻 p. 213-222
本研究の目的は、文献検討を通して疾患を経験した子どものPTGに関する研究の動向やPTGと関係する要素を明らかにし、今後の研究課題や子どものPTGの向上の一助となる看護を検討することである。文献36件を分析したところ、研究の実施国はアメリカが最も多く、日本は全体の6%に満たなかった。研究対象者の疾患はがんなどの重症度が高く慢性化をたどる可能性の高い疾患のみであった。研究方法は量的研究が最も多かった。疾患への認識の仕方やソーシャルサポートなどの心理社会的状況、積極的コーピングなどがPTGを高める要因となっており、PTGの向上に貢献するためにはこうした要因に注目した看護を行う必要性が示唆された。PTGは社会文化的背景の影響を受けるため、今後は我が国において多様な疾患を経験した子どもを対象に質的研究や介入研究を行い、幅広い知見の獲得と看護援助に関する示唆を得ることが課題である。