日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
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研究
きょうだいによる医療的ケア児への医療行為に対する母親の思い
新井 二千佳
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2023 年 32 巻 p. 26-34

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抄録

 本研究では、医療的ケア児(以下、医ケア児)と生活するきょうだいによる医ケア児への医療行為に対する母親の思いを明らかにすることを目的とした。きょうだいがいる医ケア児の主介護者である母親7名に半構造化面接を行い、質的帰納的に分析した。その結果、母親の思いとして8カテゴリーと19サブカテゴリーが抽出された。母親は医療行為よりもきょうだいの人生を優先し、きょうだいの医療行為に対する思いを大切にしたいと考えていた。また、きょうだいが医療行為をすることはごく普通のことであり、家族は助かると思っていた。母親は、医療行為を通してきょうだいと医ケア児によい関係をつくってほしいと願い、医療行為を通してきょうだいは成長すると肯定的にとらえていた。さらに、きょうだいに負担をかけずに、安心して安全に医療行為を実施できるようにしたいと思っていた。医ケア児と家族の支援を検討する際に母親の思いを尊重する必要性が示唆された。

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© 2023 一般社団法人 日本小児看護学会
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