2023 年 32 巻 p. 35-43
医療的ケアを受ける在宅重症心身障害児(者)の青年期きょうだいのライフイベントに伴う体験を明らかにする質的記述的研究を行った。家族との生活【同胞の症状が悪化し、交流のない生活】、【同胞に合わせた生活の調整】、【自分ばかり叱られ親が同胞にとられる制限のある生活】、【親の姿を見ての同胞の介護の手伝い】、【同胞への支えと世話が必要という認識の目覚めと親の喜ぶ姿からの存在価値の見出し】、【自分のことよりも、同胞の生命と親を優先】、【両親のきょうだいの意思を尊重したかかわりと社会とつながる活動への参加】、ライフイベントに伴う体験【同胞の存在を優先した進路・職業の選択】、【同胞の存在を意識しながらの友だちとの交流】、【同胞のことで交際を断られたり認めてもらえない不安】、【子どもを生むことへの不安と親の後押し】、【子どもの成長を同胞と重ねて考える親としての思い】が得られた。幼少期からの葛藤を支え役割変化の過程での支援が必要である。