本研究は、在宅移行期にあり、退院後も何らかの医療ニーズを有する子どもの家族に対して、病棟看護師が行う退院指導についての現状と課題を明らかとし、求められる指導について示唆を得ることを目的とした。医学中央雑誌Web版を用いて、「小児」、「看護」、「退院支援/退院指導」、「在宅」、「家族」のキーワードで検索を行い、得られた14件の文献について文献検討を行った。その結果、家族は【在宅への移行に向けた不安】や【療養生活の継続への困難感】をかかえており、その不安や困難感を解消するために病棟看護師は、【親の思いに寄り添う】ことでニーズをとらえ、【在宅生活のイメージ化のための指導】や【支援体制を整える】ことを行っている。これらの退院指導を充足させ、在宅移行に向けた家族の不安をより少なくするためには、病棟看護師と家族が双方向性にコミュニケーションをとりながら退院指導内容および体制を構築していく必要性が考えられた。