日本小児看護学会誌
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国内における子どもの味覚およびその評価に関する文献研究
笹木 忍
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2023 年 32 巻 p. 66-75

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抄録

 子どもの味覚は文化的背景に影響する食生活と密接に関連しており、身体的成長のみならず、その後の心理社会的発達に影響を及ぼす。本研究では、国内における18歳未満の子どもを対象とした味覚に関する調査研究を収集し、それら調査対象者の特徴と味覚評価方法を明らかにすること、各検査の適応年齢や小児看護の臨床への応用ついて検討することを目的とした。文献検索は医学中央雑誌Web版とCiNii Articlesのデータベースを用い、53件を対象とした。文献は、味覚全体に関する文献と味覚異常に関する文献に分類した。小児看護の臨床において、6歳未満の子どもを対象とした客観的味覚評価は、検査の信頼性は十分検証されているとは言い難く、保護者などによる代理評価を参考とすることが推奨されていた。今後、子どもの味覚に関する主観的、客観的指標となる評価方法を確立し、子どもの食生活への支援を検討する必要性が示唆された。

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© 2023 一般社団法人 日本小児看護学会
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