2023 年 32 巻 p. 76-83
本研究は、国内の文献を対象に日本の新生児集中治療室(以下、NICU)における意思決定の現状とその支援について、文献検討により明らかにすることを目的とした。文献検索は医学中央雑誌Web(Ver. 5)を用いて検索、キーワード「新生児」と「意思決定」を用いて検索、対象は13文献であった。意思決定の内容とその支援は、「出生前から出生後の入院・治療」、「在宅移行とそれに伴う医療的ケア導入」、「治療差し控えや中止、看取り」の3つに分類できた。NICUでは自分で意思決定できない児に代わり、親と医療従事者との話し合いにより行われていた。意思決定支援について医療従事者は、かかわり方に配慮しながら愛着形成を促進し、治療の選択や医療的ケアの習得、終末期のケアの支援を行っていた。医療従事者は、揺れ動き変化する親の思いを受け止め、児の最善の利益を考え話し合い、協働して意思決定を進めていく必要がある。