本研究の目的は子ども虐待の発見や報告および連携に関する看護師の知識・判断・認識・自信を明らかにすることである。全国の小児専門病院と300床以上の小児病棟を有する計504件の病院のうち、調査の承諾を得られた99件の病院の小児外来、小児病棟、救急外来などに勤務する1,634名の看護師を対象に自記式質問紙を用いて調査を実施した。回収のあった710名(回答率43%)のうち有効回答を得た630名(有効回答率39%)を分析対象とした。結果、社会資源や性的虐待に関する知識、対応への自信が低く、判断においては精神症状に関する項目に対して「わからない」と回答した者が3割程度であった。以上より虐待を疑った時の看護師の報告・連携行動において、社会資源の活用や性的虐待に関することへの関与ができていないことが明らかになり、積極的な報告・連携行動を促すためには今回の結果をもとに研修内容を検討していく必要性が示唆された。