2024 年 33 巻 p. 106-113
子育て世代包括支援センター(以下、センター)に関する知識と養育者へのセンターに関する情報提供の現状を明らかにするため、産科と小児科に勤務する看護職282名を対象に無記名の自記式質問紙調査を実施し、125名から有効回答を得た。対象者の84.0%が保健センターを「どこにあるか知っている」と回答し、67.2%が保健センターについて養育者の「全員」もしくは「必要な人」に情報提供していると回答した。一方、72.0%が保育コーディネーターを「知らない」、87.2%が養育者に「全く伝えていない」と回答した。産科の看護職は小児科の看護職よりも保育・子育て支援センター、保健センター、母子保健相談員の情報提供をしていた。養育者にセンターの情報提供をしていない理由として、「よくわからないため伝える自信がない」という回答が多かったことから、看護職がセンターに関する知識を得る機会をもつ必要性が示唆された。