2024 年 33 巻 p. 141-149
本研究は、小児看護専門看護師(CNSC)の家族への看護実践の特徴を明らかにすることを目的とし、全国の病院などに勤務する168名に対し質問紙調査を実施した。探索的因子分析の結果、【家族の情態・資源の確認と判断】、【家族の状況対応力の判断と後方支援の必要性の見極め】、【家族への気遣い・情緒面の支援】、【子どもの最善のケアのための家族の意思表出・決定支援】、【家族メンバーの相互交流の促進】、【子どもとのかかわりを促すための家族教育】、【家族への資源提供】、【看護師の抱く憂いごとの見極めと支援】、【看護師のかかえる問題の解決】、【家族にかかわる職種と家族を協調に導く】、【家族のかかえる課題を解決に導くケアシステムの構築】の11因子が抽出された。CNSCによる家族への看護実践は、子どもの最善のため家族の対応力促進を目指した支援であり看護師や組織への憂いごとへの対応と解決、協働を基盤とした組織変革を特徴としていた。